「一人情シス」が限界を迎える前に。中小企業が取るべき3つの現実的選択肢
パソコンの不調への対応、アカウントの発行、業者とのやり取り、新しいツールの検討。社内のITをひとりで担当していると、目の前の依頼に追われて、大事な判断を考える時間がなくなっていきます。
この記事では、一人情シスの状態から抜け出すための選択肢を3つ取り上げ、それぞれの長所と注意点を整理します。どれが正解というものではなく、会社の規模や、ITで何を実現したいかによって合うものは変わります。
一人情シスが限界に近づいているサイン
次のような状態が続いているなら、体制を見直す時期かもしれません。
- 問い合わせへの対応で1日が終わり、計画していた作業が進まない
- 担当者が休むと、誰も分からない業務がある
- パスワードや機器の情報が、担当者の頭の中や個人のメモにしかない
- 業者の提案が妥当かどうかを、社内で確かめられない
- セキュリティ対策が後回しになっている
いちばんの問題は、忙しさそのものより、その人がいなくなると業務が止まる状態になっていることです。担当者の努力だけでは解決しにくいので、会社として体制を考える必要があります。
選択肢1:専任のIT担当者を増やす
社員としてもう1人、IT担当者を採用する方法です。
メリット
- 社内の業務や人をよく知る担当者が育ち、知識が社内に残る
- 日々の細かい依頼にすぐ対応できる
- 担当者が2人になれば、休みや退職への備えにもなる
注意点
- 人件費が継続してかかり、採用できるまでに時間もかかる
- 経験者を探すのが難しく、社内に評価できる人がいないと採用の判断も難しい
- 少人数の体制のままでは、また同じ問題が起きることがある
会社の規模が大きく、ITの仕事が1年を通して十分にあるなら、有力な選択肢です。
選択肢2:IT業務をまとめて外注する
ヘルプデスクや機器の管理、運用作業などを、外部の会社にまとめて任せる方法です。
メリット
- 手を動かす作業が減り、担当者の負担がはっきり軽くなる
- 複数の人が対応するので、特定の人に頼らずに済む
- 外部の会社の知見や手順を活用できる
注意点
- 依頼する範囲が広いほど、費用は大きくなる
- 契約の範囲外の相談には対応してもらえないことがある
- 任せきりにすると社内に判断できる人がいなくなり、提案の良し悪しが分からなくなる
作業の量が多く、やることがはっきりしている会社に向いています。
選択肢3:社外IT顧問に判断を支えてもらう
ITに詳しい外部の人と顧問契約を結び、定期的に相談できる体制をつくる方法です。
メリット
- 社員を採用するより費用を抑えやすく、小さく始められる
- ツール選びや見積りの比較など、迷いやすい判断を相談できる
- 製品を販売していない顧問なら、中立な立場から意見をもらえる
注意点
- 相談とアドバイスが中心の場合、作業そのものは社内に残る
- 社内の情報を共有しないと、的確な助言を受けにくい
- 契約によって、相談できる回数や対応の範囲が異なる
「作業より、判断に困っている」「まず何から手をつけるべきか整理したい」という会社に向いています。
どう選ぶか:足りないのは「人手」か「判断」か
3つの選択肢は、足りないものによって選ぶと整理しやすくなります。
- 社内に常に人手が必要:専任のIT担当者を増やす
- 決まった作業の量が多い:外注する
- 判断や相談の相手がいない:社外IT顧問に頼む
ひとつに絞る必要はありません。たとえば、社外IT顧問と一緒に業務を整理し、定型の作業だけを外注すれば、必要以上に費用をかけずに済みます。
今日からできる最初の一歩
どの選択肢を選ぶ場合でも、まず担当者の仕事を書き出すことから始めましょう。業務の内容、頻度、かかっている時間、その人しか分からないかどうかが見えると、人手と判断のどちらが足りないのかを話し合えるようになります。
まとめ
一人情シスの問題は、担当者が倒れてからでは対応の選択肢が狭まります。余裕のあるうちに、自社に足りないものを確かめておくことが大切です。
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